haku kyoto

CURRENT EXHIBITION

このたび、haku kyotoではアーティスト・ツダハルトの個展「Google Street View」を開催いたします。

幼少期から絵を描くことに親しみ、高校時代には本格的に油彩に取り組んだツダハルト。

独学で筆を重ね、美術大学への進学を志すも、最終選考で道は閉ざされました。しかし、それは彼にとって挫折ではなく、むしろ自身の表現や生き方をより自由に研ぎ澄ませる契機となりました。

ツダの創作の根底には、小さなことを気にしすぎてしまう“気にしい”な性格があります。対人関係の些細な空気の変化に敏感であることは、彼にとってコンプレックスであると同時に、世界を繊細に観察し、独自の視点を生み出す源でもあります。

会話のすき間に生まれる沈黙、ふとした視線の交錯、曖昧な距離感。彼の作品には、誰もが一度は感じたことのある「気まずさ」や「微妙な瞬間」が潜んでいます。人と人の間に漂う見えない“重力”をすくい取り、シュールさとポテンシャルを併せ持つ画面へと昇華させる。その手法は、彼の繊細な感性そのものです。

展覧会タイトル「Google Street View」は、日常のささやかな断片を、まるでストリートビューのように歩き回る感覚で楽しんでほしいという願いを込めています。ツダハルトの視点を通して、何気ない風景の中に隠れた感情の機微をぜひ感じ取ってください。

ツダハルト | Haruto Tsuda

2003年大阪生まれ。
油彩画を中心に、人間関係や日常生活に溢れる違和感をユーモラスな視点で描くことを得意とする。その他にも粘土を用いた立体作品や映像の制作を通して、鑑賞者と作者自身が互いに楽しめる表現を模索している。